キングとナイト
に、似合わなかったか……?
そりゃ、男物の服だから私には合わないだろうけど……。

私は一人、オロオロしていると弥生はいきなり私の腕を掴んで、教室に向かって走り出した。

バンッと勢いよく、教室のドアを開ける弥生。

「やばいよ!魅夜、かっこよすぎだよ!!」

大きな声で、そう言ったためクラスメート全員が注目する。

「……き、キャー!!」

「えっ、嘘!!あれ、夷隅さん!?」

「男の俺らよりカッコイイって、どーゆーこと!?」

数秒の沈黙の後、一気に騒がしくなる教室。

「夷隅さん、メイクしていい!?」

「夷隅さん、髪いじっていい?」

「ど、どうぞ…」

ワラワラと女子が集まってくる。

……もう、好きにして下さい。
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