キングとナイト
クリスはそう言って、帰って行った。



言いようのない雰囲気が、生徒会室内に漂う。

それを破ったのは、魅夜だった。

「…会長、連夜先輩。私がクリスを好きになっていれば、クリスは帰らなくて済んだんですよね……?」

!!!

「魅夜!?」

「今の話、聞いて…!」

魅夜は机に突っ伏したまま、声を発していた。

肩が小刻みに震えている。泣いているのだろう。

「…私、クリスの事は好きです。でも、それは恋愛対象じゃなくて……」

「魅夜…」

そんな魅夜に連夜は近づいて、頭を撫でる。

「魅夜、お前が本当にクリスの事が友達として好きなら、送ってやれ」
< 264 / 281 >

この作品をシェア

pagetop