キングとナイト
俺のその言葉に魅夜が顔を上げる。

「クリスは、お前が好きだから離れるんだ。お前に迷惑をかけたくないから。それなのに、お前が引き止めてどうする?」

魅夜は真っ直ぐ、俺を見ている。
俺はそれを見つめ返しながら言葉を続ける。

「お前への思いを振り切るためにアメリカに帰るんだ。それに、いつでも会いに行けるじゃないか、アメリカぐらい。クリスに会いたくなったら、今度は俺たちから会いに行けばいいだろ。だから、泣くな」

「…ッハイ!」

魅夜は目に涙を溜めながら、ニコッと笑った。




〜零Side 完〜
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