キングとナイト
「放してください!」

弥生のそんな声が聞こえたため、振り返った。

そこには、いかにもチャラそうな男、2人組に腕を掴まれている弥生がいた。

「いいじゃん。少しくらい。一緒に回ろうよ」

「俺らさぁ、この学校よく知らないから、案内してよ」

「無理です!!」

断る弥生の腕を放さない、野郎ども。

私はそいつらに近づいて、弥生を後ろから抱きしめるようにして、奪う。

「んだよ、テメェ!」

「邪魔すんじゃねぇよ!」

商売の邪魔してるのは、どっちだよ。

「校内での、このような行為は厳禁ですよ。お客様」

弥生を後ろに庇いつつ、野郎どもを睨む。
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