キングとナイト
「連夜先輩?」

「お前と会ってさ、もう結構たつな」

なんか、しみじみした話になってる……。

「俺さ、初めてお前を見た時から……」

そこで一端言葉を切り、私を真っ直ぐに見る連夜先輩。

「ずっと好きだった」

「え?」

好きって、連夜先輩が私を……?
……嘘。

だって、私は連夜先輩をお兄ちゃんみたいにしか、思ってなくて。

「まぁ、魅夜の事だから俺はお兄ちゃんみたいだったんだろうけど…。ちゃんと考えて、俺の事。お兄ちゃんじゃなくて、一人の男として見て」

連夜先輩はそう言って、体育館へと歩いて行ってしまった。
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