キングとナイト
「はい。よろしくお願いします」

ぺこりと連夜先輩に頭をさげた。

「おし。じゃ、体操着に着替えて、道場に集合な!」

朝霧学園には、空手部や柔道部等があり、結構優秀らしい。
そのため、道場などの練習施設等の設備がいい。

部員でも無い、私たちが使えるのは生徒会の特権。

「じゃあ、お先に失礼します」

会長たちにそう挨拶をして、生徒会室を後にした。



道場では、連夜先輩と1時間程練習をした。

「魅夜、何段になった? 俺が主将のときは3段だったよな…」

「えっと、5段です」

「お、俺と同じだな」

他愛ない話をしながらの練習で懐かしかった…。
あの頃に戻ったみたいで…。

でも、あの頃にはもう、戻れない……。
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