キングとナイト
「魅夜ちゃん」

会長から逃げて、体育館をうろついていると、兼田が声をかけてきた。

「練習、お疲れ様」

私がそう言うと、兼田も、

「魅夜ちゃんこそ、疲れたでしょ?」

そう言った。

「見てたのか……」

会長との対戦を見ていたらしい。

「あんなに、派手にやられれば誰だって見ると思うよ?」

確かにそうだな……。

「魅夜ちゃんって、変なとこ抜けてるよね…」

「そうか?」

自分で抜けるとこはわかんないからなぁ。

てか、

「魅夜でいい。ちゃんをつけるな。気色悪い」

「そう? じゃあ、俺も流でいいよ」
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