キングとナイト
「魅夜、今日はこれで練習終わりだから、そのまま帰りな。じゃあな」

会長に引っ張られる私に、流が言った。

「わかった。ありがとう、流」

そう言って、体育館を後にした。




連れて来られたのは、体育館裏。

「どうしたんですか、会長?」

相変わらず、不機嫌な会長。

「会長……っ!!?」

声をかけた私に、会長はあろうことかキスをしてきた。

さっきの頬にチューどころじゃない。

今度は唇になのだから。

「会…ちょ……ん」

一行に離してくれる気配はない。

最後の手段として、私は会長の腹を蹴った。


「お前、何しやがる!?」

大して悪びれる様子もなく、会長が言う。
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