キングとナイト
「何って、こっちのセリフだよ……」

目に熱い物が込み上げて来る。

「……」

「私が、何したっていうのよ!! なんで、こんな事……」

そこまで言って、涙があふれてきた。

「夷隅」

会長は私に近づいてくる。

それが嫌で、私はまた会長から、逃げた。

「ちょっ、待て! 夷隅!!」

後ろから会長の声がしたけど、私は止まらかった。



「あれ? 魅夜じゃん」

帰ろうとして、門のところで連夜先輩に会った。

「…お前、泣いただろ?」

「…………」

「やっぱりな」

昔からそうだった。連夜先輩には、隠し事はできない。

「無理すんなよ」

ぽんぽんと私の頭を叩いた。

「はい」

その日は、連夜先輩と一緒に帰った。


次の日から、私は会長を避ける様になった。
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