キングとナイト
「来たぞ!」

流の一言で、私たちはDFの体制になる。

パスッーー。と音がして、斎藤の手にボールがあった。
パスカットに成功した様だ。


それを見て安心した瞬間、予想していなかった事態が起こった。

「調子乗ってんじゃねーよ!」

そう言って、先輩が殴りかかってきたのだ。

突然の事に、私は殴られると思い、目をつぶった。
しかし、いつまで経っても衝撃が来ない。

「流!!?」

目を開けると、私の目の前には流が立っていた。

「痛ぇな…」

呑気にそう言いながら、頬を押さえる流。

「試合中止! 3年は、後で職員室に来なさい。君は、保健室に行きなさい」

審判が駆け付けて、バスケの試合は中止になった。
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