マルボロ・ヒーロー

『あっ、デビルマンだ!みんな逃げろ!』


悪役の登場によって、ショーは最高潮の盛り上がりを見せていた。

甘いタバコの残り香と共に、俺だけがぽつんと取り残される。




ーーー 本物の、



「ヒーロー……?」




肌に心地良い五月の風が

俺の前髪を、ふわりと持ち上げる。
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