マルボロ・ヒーロー

「きゃ〜!!」


耳をつんざくような、子供たちの悲鳴。

ぱん、と風船が弾けるように
俺の意識は、再びショーへと引き戻された。


「デビル、客席に下りて行きましたよ!」


袖から舞台を覗いてすごいすごい、と興奮しているスタッフを横目に
慌ててヘルメットをかぶった。

目の部分がマジックミラーに加工されているため、目の部分がセピア調に色づく。
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