こいつが学級委員!?

「ちょっと佐原!!何してんの」
精一杯勇気を振り絞り、不良男子数名のなかの一番馴染みのある拓也に声をかけた…

男たちと女子学生の視線が集まる。

(…ん？ちょっと待てよ…？いくら一番馴染みがあるっていっても、佐原って一番権力あるんだよね…？



＿＿＿＿＿＿＿＿＿ヤッバ…)

声かけたあとに気づくなんて遅いって事はわかるけど、もうすこし考えて行動したらよかったと後悔する。

権力もまったくない私が真っ先にリーダー格の拓也に声かけるなんて喧嘩売ってるようなもんじゃん…。

(もう、こうなりゃヤケだ!!)

「あ？お前誰だ？俺たちに喧嘩売ってんのか？」
取り巻きの一人が口を開く。

やっぱりそうとらえますよね…。

「あ。お前…どっかで見た顔だな」
拓也がボソっと呟く。

(はぁ！？そりゃそうでしょ!!同じ学校で同じクラスなんだから!!)

「当たり前じゃん…だって私、あんたと…」

「どうでもいいけどゴチャゴチャいってんじゃねぇよ!!」

恐怖を堪え、頑張って平静を装うために呆れた顔して私は言う。
だが、私が言葉を言い終わらないうちに取り巻きの一人が殴りかかってきた。
さっきセクハラ的言動を吐いた奴だ。

(え!?まさかの逆切れですか!?…っていうかどうしよ!?)

空手とか柔道とかやっぱり習ったほうがよかったと今頃後悔する。


「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」
女子大生が悲鳴を上げる。

「ちょっ、待っ…!!」
拓也が慌てた様子で止めようとしたのが目に入ったが、もう遅い。

拓也が現在立っているのは私と１ｍくらい離れている。
しかももう男の拳は目の前。
間に合うはずがない。

私は覚悟をし目をつぶり、歯を食いしばる。










＿＿＿＿＿＿＿＿＿あれ？


痛みがこない。

何事かと思い瞼をゆっくりあける。



そこには…