こいつが学級委員!?
私に殴りかかってきた男が苦痛に顔をしかめていた。
その原因は別の男性に腕を掴まれ、背中の後ろで固定されているからだろう。

しかも私のことを助けてくれたであろう男性に見覚えがある。
前髪で顔ほとんどが見えないが…

(まさかね…)
確かに見覚えはあるけど、こんなところにいるはずがない。

「痛テテテテテッ!!」
さっき殴りかかってきた男がうめき声をあげる。

「おい、コラ!!いい加減はなせよ!!」
男が唾を飛ばし暴れだす。

周りの人たちは勿論。拓也たちも唖然としている。

「え~。そんなことできないよ。だって君、オレが離したらまた殴りかかりそうだし?」

「もう殴りかからねぇって!!」
男を捕まえている男性は余裕そうに喋るなか、男は必死に反抗する。

「一般人相手に…しかも女の子に手加減なしで殴りかかった子のいうことなんて、信じられないなぁ~。」
へらへらと笑いながら男性が喋る。

「…あれ、下手したら鼻折る威力だったよ?」
さっきまでのへらへら顔から一変し、顔は笑っているものの目が笑っていない。
黒いオーラを放っている。

「それは…」
男がひるむ。

「しかも君、空手に柔道、ボクシングやら、その他もろもろ。格闘技習ってたっしょ?」

「なっ…」
男の顔がみるみる青ざめていく。



そして勝ち誇ったような満面な笑みで男性は口を開く。
「ね?柏谷耕太(カシタニコウタ)君?」
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