シークレット*ラブ
胸の奥の痛々しい状態に耐えきれなくなった私は、この場から逃げ出そうと立ち上がった。


その時……

優斗が私の腕を軽く掴んだ。


心臓が一瞬‘ドキンと'音をたてる。


私のこんな気持ちを優斗に見透かされていそうな気がした…?


でも

すぐにそんな気持ちは消える。


気づくはずがない…。
私の心の中など。



私の心を見透かしてしまうほど、優斗が私の事を気にかけていてくれていたら……


きっと私は

慶吾に恋をする事はなかったはずだから。


だから?
優斗のせい?

自分の弱さを他の人で埋めてしまった罪悪感をいつのまにか優斗のせいにしていた。


そんな風に正当化していた私のずるさをはっきりと今、自覚していた。


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