アイスクリームの美味しい食し方
「お母さん、
もっとしたいこと、
見たいこと
絶対あったよね。」

私は順番がバラバラになるような気がしたが、
新には話そうと思った。

「勿論。」

私は今日ずっとここにはいなかった。
新は怒るどころか、
優しく聞く準備をしてくれたのだ。


「私、もっとたくさんのこと
してあげたかった。
もっと一秒でも多く
一緒にいたかった。

後悔しまくってんだ。」

私は水槽を見ながら言った。
海の底にいるみたい。

ゆっくりと
新の口がら開く。


「何がしてあげれるんだろう。
もっと一緒にいられたら、って
悩んで焦って。
大切な人の死はそうやって迎えるものなんだって、
チカを見て思いました。」

私は初めて新がどう思ったか知った。

すでに涙は止まらない状態になっていた。


どうして、
私の隣に
こんな人がいてくれるんだろう。

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