アイスクリームの美味しい食し方
新は、
あまり恥ずかしいということを
知らない。

お店に行ってきます、を
言うときも、
ご近所の人におはようございます、を
言うときも
学校についても、
私の手を離さない。

当然私たちは、
ごく自然にいる恋人同士と思われていて、
事情もあるのだが、
特別否定することもない。

花を見て綺麗だね、と言ったり、
さみしい?と言って
時々抱きしめてくれたり、
そんな風に2人の時間は、
今日も穏やかだった。

季節は、秋が深まり、
中間考査も無事に済み、
勉強の遅れもなんとか取り戻し、
私は普通の女子高生に
戻りつつあった。
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