アイスクリームの美味しい食し方
「だけど、
もうやることは決まったんだし、
いいんじゃないの?

たまには別行動もいいよ。」

つぐみさんは、
閉店後片付けながら言った。


「何ー?何の話?」
と三田さんが売場に入ってきた。

「新が調理部にコーチをすることに
…」

私は言いにくかったけど、
渋々言った。

「あー、さっき店長に断ってたな。」

三田さんが頭を掻いた。


「三田さんはどう思いますか?」
私は聞いてみた。


「…店長は教えるのも勉強になるからいいって言ってたけど、
俺は反対。

だって、新はまだ新だからな。」

三田さんは、
両手を頭の後ろで組んだ。

「は?」

新は新ってどういうこと?


三田さんは、
後ろを向いて、
売場をあとにしようとしたが
足を止めた。

「好きな子に頼まれたら
断れなかったんだろうな。」

そう言って、
私の方を一瞬振り向いてから
出て行った。
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