アイスクリームの美味しい食し方
冷たい笑顔というものを
あなたはご存知だろうか。

甘いマスクで
柔らかく微笑む彼。

何故か背筋が凍る。

なんだ。
このツンドラ地域に
たたずんでいるような感覚は！


今朝公園から追い出したあのイケメンが
何故か同じ学校の制服を着て、
うちの学校にいたのだ。

そして、これまた謎なのだが、
抵抗むなしく、
強引に、あの洋菓子屋に
連れ込まれ、
2階の自宅スペースに押し込まれ、
追い詰められている現在に至る。


「君は住むところなくて困っている。
Yes or No？」

戸惑う私に
優しく甘い声がゆっくり問う。

「…い、Yes！！」

私は恐る恐る答えた。

「そして、お金に困っている。
Yes or n…」

「Yes！！」
私は食い気味に答えた。

彼が言っていることには間違いない。

私は、理由はどうあれ、
住むところもお金もないのは
事実なのだ。


「その上、そのことを
友人どころか学校にも家族にも
知られるわけにはいかない。

そうですね。」


ぞくっ。

彼の笑顔が
一層冷たく甘く輝く。




私は小さく頷いた。



「その全てを俺は
受け入れることが出来ると
言っているんです。」

私は、ただ驚き、
後ろへおののくことしか出来なかった。
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