アイスクリームの美味しい食し方
「信じられない!
新って本当に男なわけ?!」

お姉さんは、
バスローブ姿で、
ミネラルウォーターを
がぶがぶ飲んだ。

「日本の水って最高に美味いわ。
やっぱり生まれ育った土地の水が
一番ね。」

その姿も美しいとかずるい。

私はお姉さんに買ってもらった。
シャツとスカートに着替えながら、
自分を見た。

そこそこ美人だと思っていたが、
お姉さんと比べたら全然だ。

お姉さんのような美貌や色気も
えみのような振る舞いも
つぐみさんの愛らしさもない。
自信なんて持てない。


「背筋を伸ばして。」

お姉さんは、いつの間にか
私の後ろにいて、
鏡の前にいた私の肩を持って
胸を開かせた。

「ほら、あなたはお姫様なのよ。」

そう言って、
鏡に映る自分を見るよう促した。

「愛されることを誇りにしなさい。」

愛されることを…


私は
お母さん以外疑うことしか
つい最近まで知らなかった。

そんな自分を見つめた。
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