アイスクリームの美味しい食し方
「チカ!」

後ろから、愛しい人の声が響き、
仕方なく振り返った。

ぐ。
2日ぶりだけど、
やっぱりかっこいい。

けれど…。

「何?店長連れてくる気になった?」

私は頭を振り、
邪念を取り除いた上で、
新に静かに問いかけた。

お姉さんは、
私の後ろに隠した。
もちろん見えるけど。

「姉さん!
どういうつもりですか!
チカまで利用して!」

新は私を通り越して
お姉さんにどなった。

「…ごめ…。こんなことになるなんて私も…」

お姉さんが小さく答えた。


「お姉さんは謝らなくていい!

私が聞いてんのよ!
答えなさい!
店長連れてくる気あんの?!」

私は人差し指を
新の鼻の前に突き刺した。


「〜…。

チカー。俺が何か怒らせたなら謝ります!
お願いだから、
帰ってきてください〜」

くぅ!
新が子犬のような目で
私に懇願する。

本当に帰って来て欲しいの?

予想していなかっただけに
軽くパニックだ。

「チカちゃん、もういいよ。
私もう大丈夫だから。」

お姉さんが切なそうに笑う。


駄目だ!
ここで引いちゃ、
お、女が廃る!


「わ、私に帰って来て欲しかったら、
さっさと店長を連れてきな!

それまでお姉さんは私が預かる!」

私はそう言って無理矢理
お姉さんを教室まで連れて行った。


「ね、姉さんがチカに誘拐された。」
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