アイスクリームの美味しい食し方
うちのクラスは、
カップル限定の
コスプレ喫茶だ。

恋人がいる子は、
勿論その相手と。
いない子は、
好きな子や気になる子を誘って
入店してもらう。

極めつけに、
教室の中央に置かれた
ハート型のお立ち台。

告白したい人がいる人は、
ここから愛を叫んでもらうシステムだ。

「投票1位だったら、
先生が焼肉おごってくれるってー!」

クラスの男子が叫んだ。

お客さんのアンケートで
人気1番だったらという話だ。

先生には
スーパーモデルであることを伏せ、
私のお姉さんとして
手伝ってくれると言ったら、
いいんじゃない?と了承をくれた。

恐らく、
先生は美人に弱いのだ。
そして、必ず投票で1位を取りたいのだ。


「…ち、チカちゃん。
私、さすがにこの格好恥ずかしいよ。」

お姉さんは、
衣装の裾をぐっと伸ばした。


「何言ってるんですか!
数年前まで着てたんですから!」

私はお姉さんに檄を飛ばした。

「じゅ…10年くらい前だよ〜。」

お姉さんは、
涙目で訴えたが、
私は許さなかった。
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