アイスクリームの美味しい食し方
ミニタオルで
濡れた頭を拭いた。

すぐにタオルはびちょびちょになった。
公園の鉄棒に干した。

暖かくなってきたとはいえ、
冷たい髪はなかなか乾かない。


…。
母には言えない。



ただでさえ、私のために
身体を壊してまでして
仕事をしてきたひとだ。

こんなこと知ったら、
大人しく病院では寝ててくれないはずだ。

今月の入院費用を少し待ってもらい、
家の事情を知ってる大家さんに新しい家のツテを紹介してもらおう。

大丈夫。

全然こんなの大したことじゃない。

私は、
胸をとんとんと叩いた。

「私は、強い。大丈夫。」



「なんでこんなとこで泣いているのですか?」


その時、
頭の上から
甘い声とにおいが降ってきた。



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