アイスクリームの美味しい食し方
公園の隣は、
有名なお菓子屋さんだった。

彼が言うには、
開店準備をしようとしたら、
滑り台から私が出てきて
ぞっとしたとのこと。

公園に
ホームレスがいるなんて
店のイメージ問題だと
追い出しに来たらしい。

私は、濡れた髪を束ねて、
カバンを持った。

「すみません。すぐに出て行きます。」

「そうしてください。」

私は慌てて立ち、頭を下げた。





ぐぅ〜〜。




ひぇ。
なんでこんな時にお腹鳴るのよ!

私は走り出そうとした。


その時、


「ねぇ!」

呼ばれて、思わず振り返ると、
彼がポケットをごそごそと
まさぐりながら近づいてきた。


「はい。これ。」


「クッキー?」

彼は私に袋に入ったお菓子を差し出してきた。


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