君に会えるまで
『ミーナ、トールくん困ってるからからかうのやめなって。ごめんね、トールくん。ミーナのことは気にしなくていいから。さて、ミーナ帰るよ』
きまづい雰囲気に耐えられないアタシはペラペラとまくしたてて席を立ちミーナの席に回り込む。
渋るミーナの手を取って店をでようとするとミーナの手を掴んでいる手とは反対の手をトールくんに掴まれてしまった。
アタシ大パニック
『ミーナちゃん、ちょっとだけミヤちゃん借りるね』
トールくんはアタシの手を引っ張りスタッフルームに向けて歩き出す。
ミーナに助けを求めようと見るがニコニコと手を振って助けてくれそうにない。
ミーナのバカー
アタシは引きずられるようにスタッフルームに連れ込まれた。
『トールくん、アタシ店員じゃないし此処に入ったらまずいんじゃ…』
スタッフルームに入りドアを閉めるとようやく手を離してくれたトールくんにアタシはごにょごにょとしゃべる。
こういう雰囲気苦手だ…
しゃべらないトールくん。
アタシは俯いたまま。
時間が果てしなくたったんじゃないかと思うくらいの沈黙。