君に会えるまで

『アタシでるね』


耐えきれなくてドアを開けようとするアタシの手をトールくんはまた掴んだ。


『俺、ミヤちゃんが好きだ』


真っ赤な顔で言うトールくん。

すごく真剣な顔でアタシは目が合うとすぐそらしてしまった。

『いつもさ、ミーナちゃんと来てくれて2人してすげーよく笑うだろ?俺、ミヤちゃんの笑うとこ好きなんだ。仲良くなってどんどん好きになってったけどコクるタイミングなくて…今日ミーナちゃんが言ってくれて良かったと思う』


そう言うとトールくんはニコッと笑って最後に付け加えた。


『ミヤちゃんが男避けてんのは何となく見ててわかった。何かあったんだろうなって思うから無理に付き合ってくれだとか言わない。ただ俺がミヤちゃんのこと好きなのだけは知っててほしい。引き止めてごめんな』


トールくんはアタシの手を離してくれた。


『ありがと』


アタシは声を出すのがやっとだった。

そっとスタッフルームのドアを押して外へでた。
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