君に会えるまで
ミーナの待つ場所まで行くと『先に帰る』とだけミーナに言い残して店を飛び出した。
あんなに晴れていた空がどんよりと曇っていた。
家にたどり着くとアタシは制服も着替えずにベッドにダイブした。
ぁ、会計せずにでてきちゃった。明日ミーナに謝らなきゃ…
そんなことを考えていたらトールくんの笑顔が頭をよぎった。
トールくんはミーナじゃなくてアタシを好きだと言ってくれた。
可愛くもないアタシを。
トールくんはアタシを見てくれてた。
答えなければという思いとアタシの気持ちはわからないままでいいのかという不安がアタシの頭の中で堂々巡りしていた。
枕をギュッと抱きしめる。
トールくんはアタシの過去を知らない。
過去に縛られているアタシを知らない…
付き合うならば話さなければならない過去を思い出しアタシは嘔吐感を覚えてトイレに駆け込んだ。
トールくんにもらったベリーのケーキがグチャグチャになってトイレに流れた。
赤い血の色。
ベリーの甘酸っぱい匂いと胃液の匂い。
アタシは泣きながら全てを吐き出した。