君に会えるまで

ｱﾀｼがｼﾝと出会ったのは16歳。

まだｱﾀｼは世の中の厳しさを知らずにのうのうと過ごしていたとき。

ｼﾝとｱﾀｼが出会ったのはよくある『ﾒﾙﾏｶﾞ』ってヤツでｼﾝがメールをくれる側。

毎日「彼氏」みたいにメールをくれるってﾒﾙﾏｶﾞで内容は普通の女の子が喜びそうな甘ったるい感じの文。

それが面白くて登録してた。


ｼﾝのメールがどれだけの女の子を酔わせてたんだろうって思うとちょっと笑える。

ｱﾀｼはホントのｼﾝを知ってたからかな。


とにかくﾒﾙﾏｶﾞ読み始めたのは偶然でこれがなければｱﾀｼはｼﾝと出会うことなんてなかったと思う。

偶然じゃなくて必然だったのかもしれない。

そう思いたいだけかもしれないけど…


最初は興味しかなかった。

だってｼﾝのメールは「現実」じゃない。

ｼﾝは実在するけどメールの内容は読者に向けられたものだ。

もしかしたらｼﾝという存在そのものが誰かによって作られたものかもしれない。

まぁｱﾀｼは楽しければそれで良かったんだよね。

ｼﾝとメールを始めるまでは。


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