君に会えるまで
すごく嬉しそうなトールくん。
アタシは少しだけ胸がチクリと痛んだ。
だからってトールくんと付き合うとか好きになるとか考えられなかった。
アタシにはトールくんは眩しすぎる…
そばにいることでアタシの罪悪感は膨らんでしまうだろうしアタシの心が悲鳴をあげてしまう。
そうしたらきっとアタシはトールくんを傷つけてしまうと思った。
逃げていてはダメなのかもしれないけれど今のアタシには向き合うだけの勇気がない。
時計を見ると電車の時間が近づいていた。
アタシは慌てて卵焼きだけを口に入れて『いってきます』と玄関を飛び出した。
空は晴れて日差しが心地良い。
アタシの心も少しだけ軽くなった。