君に会えるまで
ミーナとのいつもの待ち合わせの駅に着くとミーナが『マヤー』と呼んで手を振る。
今日は長い髪をツインテールにしてる。
フワフワの髪の毛が手の動きに合わせて揺れていた。
『おはよ!ミーナ、今日は早いね。何かあったの?』
アタシはミーナに近づいて首を傾げた。
いつもならアタシが駅について少ししてから来るミーナが今日はアタシより早く来てたから少しだけ驚いた。
『マヤに謝りたくて…昨日はごめんね。マヤの気持ち考えてなくて。でもトールくんとマヤはホントにうまくいくって思ったから…』
しどろもどろに言うミーナが可愛くて思わず抱きしめた。
『大丈夫。気にしてないよー。アタシね、好きな人できたかもしれないんだ。だからトールくんは断るつもり。ごめんね』
好きな人…
そう口にすると何だか恥ずかしいような気がした。
でもたぶんそうなんだ。
メールを始めて間もないけどアタシの気持ちは風船みたいに膨らんで今にも破裂しそうだった。
気持ちが溢れないように気をつけていないと不安が押し寄せてきてしまう気がした。
数回のメールでアタシはシンを好きになった。
そんなこと有り得ないってミーナには笑われてしまうかもしれない。
軽蔑されてしまうかもしれない。
でも気持ちを隠しているよりはずっといい。
アタシはミーナにシンのことを話した。
アタシの知ってることなんてほんの少しだったから数分もかからず説明できた。