君に会えるまで

『いやーん、マヤマヤったらいつの間に恋しちゃってんのー?私がいつもメイクさせてって言っても断ってんのにぃ〜ん♪まぁいいわぁ、今日は私がとびきりの美人にしてあ・げ・る』


野太い声とともに投げキスしてくるサキ。

サキの名前は佐木由太郎−さき ゆたろう−

男だ。

まぁサキが男でも女でも関係ない。

ただ−


『もうマヤマヤったらいつも私の依頼断るんだから悪いようにはしないって言ってるのにそれなのにミーナの依頼は受けるのねミーナのこと大好きなのは私だって知ってるわよでもだからって私の30回の依頼よりミーナの1回の依頼が重いなんて失礼しちゃうわ私の腕が信用できないなんて言うのよ全くわかってないわねーだいたい−』


サキは喋りだしたら止まらない。

アタシはサキが嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。

でももう少し大人しくしてほしい。黙ってればそれなりのイイ男なんだから。

サキは話し方こそあんなだけど同性が好きってわけではない。

サキはサキだからアタシは構わない。

良き理解者だ。

うるさいけど…
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