君に会えるまで

『なぁ白川ー、笑ってみ。ニコッと』

恒先輩がニッと歯を出して笑った。

アタシはどうすれば笑えるか全然わからなくてとりあえずニッと口角をあげたけどとても笑顔にはならなかった。

『マヤー、ほら、シンくんがいると思って振り返ってみて。シンくんが後ろから声かけてくれた感じでさ』

ミーナがパタパタと駆け寄ってきて耳元で囁いた。

コクッと頷いてイメージする。

シンがアタシを呼んでくれる。『マアヤ』って呼んでくれる。
ミーナがパンッと手を叩いた瞬間アタシは振り返る。

恒先輩のデジカメにまだ見たことのないシンがいたように見えた。
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