キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~


翌日。

のっそりと布団から起き上がると、もう昼の12時を回っていた。

今朝メールで『体調不良で欠勤します』と送って、返事も待たずにスマホの電源を落として二度寝してしまい、気づけばこんな時間に。

体中だるくて、何もする気になれない。

けれど、眠りすぎてしまったせいか、まぶたを閉じても眠気が訪れなかった。


「はあ……」


お腹が空いたのを通り越して、気持ち悪い。

とりあえずスマホの電源を復活させると、メールが二件届いていた。

一件は俊から。

『了解』って……それだけ?

もう一件は長井くんからだった。こちらは『大丈夫?』とか、『今日平尾さんが来てるよ』とか、私を心配する言葉と、今日の状況報告が並んでいた。

長井くん、優しい……。

それに比べて、俊はなんなのよ。


「もー嫌い!別れる!仕事も辞めてやる!」


バカバカしくてやってらんないわ、ほんとに。

スマホの電源を落としてやろうとした瞬間、メールが一件届く。

それは、麻耶ちゃんからだった。

また暇な日にランチでも行かないかと書いてある。

私はすぐに返信した。『今日は無理?』と。

すると、すぐに返事が返ってくる。『いいよ』……。

私は飛び起きて、すぐに化粧をはじめた。

その間に、麻耶ちゃんから集合場所を提案するメールが届く。

こういうときは、女友達に話を聞いてもらうに限る!

シフォンブラウスにデニム、髪はシュシュでまとめただけ、足元はぺたんこシューズというなんとも楽ちんな格好で、私は麻耶ちゃんのもとに向かった。


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