キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~
「直接聞いてみるしかないよね……何かあったら相手の女、亮司さんに頼んで狙撃してもらおう」
「狙撃!?」
「亮司さんなら、隣のビルから相手のこめかみを撃ち抜くことも可能……」
「いいよ!っていうか麻耶ちゃん怖いよ。高浜さんはゴルゴじゃないんだから」
ぶつぶつ言う麻耶ちゃんに突っ込んでいたら、いつのまにか涙が止まっていた。
「……そうだよね、逃げててもどうしようもないよね」
仕事を休み続けるわけにもいかないし、このまま知らん顔でつきあっていられるほど、強くもないし。
「うん……私も、亮司さんと付き合う前にかなりもめて、大ゲンカして、たくさん泣いたときもあったよ」
「そうなの?」
一度だけ会った高浜さんはすごく優しそうで、麻耶ちゃんを本当に大切にしているって感じだった。
彼が麻耶ちゃんを傷つけるところなんか、想像できない。
「やっぱり、ちゃんと話し合うことが大事だと思う、って……こんなベタなことしか言えなくてごめん。とにかく、仲直りできることを祈ってる」
麻耶ちゃんは自分のことでもないのに涙目になってしまい、メガネをとって目をごしごしとこすった。
見事にパンダ目になった麻耶ちゃんが照れたように笑う。
その癒し系の笑顔が愛しくて、高浜さんが彼女を大切に思う気持ちが、わかったような気がした。