キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~
「……とまあ、そういうわけだ」
話を聞き終えた私は、呆然とした。
昨日一日で、そんなに色々なことがあっただなんて。
とにかく、さっきまで私をものすごく落ち込ませていた、浮気疑惑は解消されたわけだ。
言っていることが真実かどうかは確かめようがないけど、あの俊がわざわざ来てくれて、私の帰りを待っていてくれた。
彼は、どうでもいいと思っている人にそんなことができる性格じゃないはず。
「良かった……」
ホッと息をつくと、俊は呆れた顔でこちらを見た。
「アホ。よく考えればわかるだろ。俺があんなめんどくせえ女に手出すわけないって」
「だって、魔がさすってこともあるかもしれないし」
言い返すと、頭の真ん中に素早いチョップが飛んできた。
軽く当たっただけだけど、ちょっと痛い。ひどい。
にらむと、俊も少し怒ったような顔をしていた。
「俺は、そんな悪い男に見えるのか」
「だって……」
あんな現場を見せられたら、誰だって誤解するだろう。
それに……。
「私、自信がないから」
「ん?」
「私、俊に愛されているって自信が、ない」
茶色の瞳がわずかに揺らいだ気がした。
俊の眉間にシワがより、ますます怖い顔になっていく。
「なんでだよ」
「だって、俊はあんまり私に会いたくないみたいだし、仕事が終わった後もメールや電話してくれないし」
言いながら、どんどん声が小さくなっていく。
我ながら、子供みたい……。