キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~


あっと思った瞬間、持っていたカップが俊によってテーブルの中央に追いやられた。

そのまま引き寄せられ、唇を奪われる。


「ん……っ」


息をする暇も与えないほどの、強引なキス。

ああ……私は、冷たいこのひとのする、熱いキスが好きだ。

もっと求めるように口を開いた瞬間、彼はあっさり離れていった。


「ほら。そういう溶けかけのアイスみたいな顔するから、放せなくなる」


にやりと、意地悪く笑う。

溶けかけの……って、全然例えうまくない。可愛くない。

反論しようとしたら、また息を奪われる。

倒れないように肩に手を巻き付けると、彼の器用な指が私の髪を束ねていたシュシュを取り去った。

はらりと横髪が肩に落ちる。

すると、キスをしながら、俊の手がブラウスのすそから侵入してくるのを感じた。


「ちょ、ちょっと、まって……」


< 167 / 229 >

この作品をシェア

pagetop