キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~


必死に執拗なキスから逃れて、懇願する。

私、今日黒目コンタクトもしてないし、メイクも適当だし、髪も巻いてないし、服もカジュアルすぎ。

それに気づいて、恥ずかしさが一気に頭のてっぺんまで上った。

なんてこと。完全に油断してた。


「教えてやるよ。俺がどれだけ、お前のこと想ってるか」

それなのに俊は私の抵抗なんてものともせず、簡単に床に押し倒す。優しく、そっと。

床に長い髪が広がる。

見上げた俊がその髪を一筋すくってキスをする姿を見たら、頭がくらくらした。


「コンタクトなんかしてない方がいい」


そう言って、顔をのぞきこまれる。

このまま目を合わせていたら、羞恥で死んでしまう。

ぎゅっとまぶたを閉じると、俊は私が覚悟を決めたものと理解したのか、そのまま服を脱がし始めた。

望んでいた甘い時間のはずなのに、緊張で手が、唇が震える。

そんな私に気づいたのか、強引だった彼の指が、だんだんと優しくなっていった。



そうして一度逃げたはずの私は、鬼さんの腕の中に、がっちりしっかり、つかまってしまったのであった。



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