キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~
「というわけで、今日はお前の実家に行こう」
うちの実家?なんでいきなり。
「実家はごく普通のマンションで……近くには何もないですよ?」
実家の自慢できるところと言えば、周辺が静かだということくらい。
スーパーやコンビニなど……普通のものは一通りあるけど、一日楽しく過ごすには少し物足りない気がする、さびれた町だ。
「いいんだよ。お前の生まれ育った場所を見に行きたい。ついでに、家の人がいれば挨拶しにいこう」
「どうして……」
「俺がそうしたいから」
説明になってません!
その後着替えている間もメイクしている間も、何度となく他の場所を提案してみたけれど、ことごとく却下されてしまった。
一応『今から帰る』と実家にメールをすると、母親から『どうぞ~』と気のない返事が返ってきた。
はあ……憂鬱。お母さんはまだいいとして、実家には手強い敵がいるんだもん……。