キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~
14・鬼が笑う
次の週。
私は異動先の店舗での勤務を始めていた。
「矢崎店長って、北京店の立ち上げから外された人でしょ?どうして外されたんですか?はっちゃんが異動したことと関係あるのかなあ」
「さあ、俺は何も知らないよ」
休憩室から出てくるときに、店長とパートさんの話が聞こえてしまい、ため息が出た。
やっぱり、こちらでも色々と好き勝手な憶測が飛び交ってるみたい。
ただ、こちらの地区には矢崎店長のことを知っている人が少ないため、前ほど風当たりは強くはなかった。
こっちに来ると同時、社内メールで北京メンバーが変わったという知らせを見た時は、息が止まるかと思った。
やっぱり、俊は北京に行けなくなってしまったんだ。私のせいで……。
しかし、どんよりと曇っていく目でいくら探しても、俊の次の異動先の知らせは見つからない。
いったい、どうなったんだろう。
あれからいくら連絡をしても、俊からの返事はない。
どうしていいのかわからず、もやもやとした日々が続いていた。
このまま、終わってしまうのかな。
そんなのは嫌だけど、連絡がとれないんじゃどうしようもない。
そして、また新しい週が始まったある日、社内用ケータイが鳴った。
それを取ると、向こうからは懐かしい声が。