キミの瞳に恋してる ~運命の人は鬼上司!?~
「他の人は知りませんけど。私は、鬼店長の俊を好きになったんだよ。御曹司だなんて知らなくても、運命の人はあなたがいいなって……」
言っている途中から俊の顔が微妙な表情になっていくのを見て、はたと気づく。
これって、プロポーズみたい。
やだやだ。恥ずかしい。
うつむくと、俊の少しかさついた指が私のあごをとらえた。
上を向かされると、明るい色の瞳と目があう。
「お前が部長と地区長に頭を下げてくれたときのことは、忘れない。俺は間違ってなかったんだと思えた」
「俊……」
そういえばあのとき、私ったら部長と地区長に、俊がいかに私の面倒を見てくれる良い店長か、力説したっけ。
彼を守ろうとして、たくさん嘘もついたけど、あれだけは本心だった。
俊は、わかっててくれたんだ。
「ありがとう、初芽。お前は最高の部下だよ」
「部下……」
そう言われると、ちょっとへこむ。
もっと、ロマンチックな言葉浮かばないのかなあ。
不満げに口を尖らせると、俊は私を黙らせるように、軽く口付けをした。そして。
「このまま、俺の傍にいてくれるか。これからは部下じゃなく、伴侶として」
真剣な顔で、私に聞く。
突然のことに、頭がフリーズした。
傍に……伴侶……これって!!