異常なあの子を好きになってしまった
「ねぇー、一つ聞いていー?」
もぐもぐと咀嚼しながらふいに聞いてきた彼女。
「え、なに」
いきなりのことにあからさまに身構えてしまう。
「君の名前ってなぁーにー?」
…ああ、なんだ。そんなことか。
「風見…真」
「転校生?」
「いや、入学式からいるから」
俺が冷静に突っ込むと、ようやく顔を上げて俺の顔をまじまじと見詰めた。
「あれ?君、入学式いたっけ?」
「いたし。それを言うなら俺のほうが見たことないんだけど」
そう言うと、彼女はパッと『閃いた!』という顔をした。
「そういえば、私入学式休んだんだ」
…おい。