嘘をつく、その瞬間。

「……貴方、誰ですか。」

「あら、貴方、意外に冷たいのね。

“本当の姫”には、あんなに笑顔なのに。」

意外そうに言う、女性。

当たり前でしょう?

「私が、心から笑いかけるのは心華だけ。」

わざと、素っ気なく言う。

「…素っ気ないわね。」

そう、苦笑いした女性。

「あ、ついた。」

そう女性は、呟きドアを開け店に入った。

私も、続いて入った。

今は、7月上旬で、蒸し暑い。

店の中は、冷蔵庫の様に涼しい…いや、寒かった。

店員に案内されて、ドリンクバーだけ頼む。

そして、ジュースを持ってきて席についた。

「で、何のようですか。」

淡々と聞く。

「直球ね…何から話せば良い?」

苦笑いしている女性。

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