嘘をつく、その瞬間。
「名前、年齢。
それと、なんで私を呼んだのか。」
「私は、來氷 小春-Koharu Raihi-。
18歳。高校3年。」
高校3年って、私達と同じ……。
「で、雷神の姫。」
ニッコリと、笑った來氷さん。
「なっ……。」
小さく、声を漏らす。
雷神……とは。
隣の地域一帯を占める族。
雷神も、治安を守っている。
一応、“敵”だが両者、攻め込んだこともなければ関わったことすらない。
だから、治安が守られている。
そう言っても過言ではない。
「ふふ、驚いた?」
「……えぇ、とても。」
「そうには、見えないわよ?」
クスクスと笑う來氷さん。
その姿は、優雅で。
“姫”ではない。
“女王”だ。