嘘をつく、その瞬間。
多くの、兵士……いや、下僕を持った女王。
「……雷神って、姫いなかったんじゃ……?」
「あぁ、だってバレない様に過ごしてるもの。」
当然、と言うかの様に言い放った來氷さん。
「……そんなこと、私に言って良かったの?
一応、敵なのよ?」
「龍蝶は、そんなことしないわ。」
來氷さんは、笑って足を組み換える。
「断言できる理由は?」
「この代まで、争ったことがない、からかな。」
少し考えてから答えた來氷さん。
「そう、ですか。」
「で、何で貴方を呼んだか……っと言うと……。
桜坂心華について、よ。」
先程まで、ニコニコ笑っていた來氷さんが急に真剣な顔になる。
その、ピリッ……ッとした空気に背筋が伸びた。