嘘をつく、その瞬間。
すると、來氷さんは深く溜め息をついた。
「……別に、貴方の秘密を桜坂心華や龍蝶にバラしても良いのよ?」
「っ、」
全身に、鳥肌が立った。
「な、んで……。」
『止めて……!お願いだから……!』
『ゴチャゴチャうるせぇなっ!』
嫌な、記憶が甦る。
『偽善者!』
『人殺し……!出ていって頂戴!』
「……だって、全ての元凶が私だから。」
その言葉に、ハッとする。
「お、前が……!
また、過ちを繰り返すの……!?」
ニヤリ、黒い笑みを浮かべる來氷さん。
「過ち……?
私は、過ちと思ってないわ。」
「っ、」
下唇を噛み締める。
「で、どう?
バレたくないでしょ?」