嘘をつく、その瞬間。

すると、來氷さんは深く溜め息をついた。

「……別に、貴方の秘密を桜坂心華や龍蝶にバラしても良いのよ?」

「っ、」

全身に、鳥肌が立った。

「な、んで……。」

『止めて……!お願いだから……!』

『ゴチャゴチャうるせぇなっ!』

嫌な、記憶が甦る。

『偽善者!』

『人殺し……!出ていって頂戴!』

「……だって、全ての元凶が私だから。」

その言葉に、ハッとする。

「お、前が……!

また、過ちを繰り返すの……!?」

ニヤリ、黒い笑みを浮かべる來氷さん。

「過ち……?

私は、過ちと思ってないわ。」

「っ、」

下唇を噛み締める。

「で、どう?

バレたくないでしょ?」

< 18 / 79 >

この作品をシェア

pagetop