嘘をつく、その瞬間。

目の前に、立ち塞がるシャッター。

それは、“拒絶”を意味していて。

“裏切り者”と確信された証。

ポタッ……と太ももに落ちた涙。

だけど、視界がはっきりする訳じゃなかった。

もう……このシャッターは開けてくれないの?

「ふっ……くっ……。」

大声で、泣きたいけど何でか声が出せなくて。

「っ、」

代わりに、涙が沢山流れ落ちる。

皆……失ってしまった。

仲間も、親友も。

『早く、来いよ!心華!』

『もう……心華はドジね?』

『俺は、心華が大好きだよ!』

『心華!』

『心華。』

『心華さん!』

『心ちゃん!』

『心華……。大好きよ。』

フラリ、と立ち上がる。

色んな思い出が混じり合う。

最後に出たのは、アオの顔。

アオ……私もアオの事、大好きだよ。

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