嘘をつく、その瞬間。
*碧奈side*
「くそ…ッ!」
ガンッと、ゴミ箱を蹴る由朔。
ゴミ箱が、倒れゴミが散らばる。
だけど、誰も拾わない。
あぁ…とうとう。
心華を追い出してしまった…。
結局は、自分の為で動いていた。
そんな、自分がもどかしい。
そして─────。
大嫌い。
……來氷さんの考えは、こうだった。
────────────
─────
「ス、パイ……?」
「そう。」
そう、言うと來氷さんは先程の笑みで楽しそうに言う。
……狂っている。
ただ、自分が楽しいことだけする。
心華を、紅蓮という族の姫……そしてスパイという嘘を流す、と言う計画だった。
「もっと、違う方法はないの……?」