嘘をつく、その瞬間。

「ないわ。」

バッサリと言い切った。

そんな……っ。

それじゃあ、それじゃあ……!

「心華が……!傷つくじゃ、ないっ!」

もう、この計画を聞いた時点で心華がどうとか言えないけど。

だけど……やっぱり嫌で。

……やっぱり、私は偽善者。

「傷つく……?

私は、わざとしているの。」

クスクスと、おかしそうに話す來氷さん。

それが、腹立たしい。

「……本当に、狂ってる。」

嫌みったらしく言う。

「どーも。」

だが、來氷さんは平然と答える。

「まず……貴方に桜坂心華を何とか……って言える権利があるとでも?」

「っ、」

図星を言われ、反抗できない。

「……分かった……。」

そう言い、ギュッと制服のスカートを握りしめる。

「そう、それで良いの。」

そして、來氷さんは優雅に笑ったのだ。

「まぁ、それだけ。

後は、私が進めていくわ。」

そうして、話は終わったのだ。


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