嘘をつく、その瞬間。
ショーが、始まって20分。
「……偽善者、ねぇ?」
少女は、不気味に呟くのだ。
「所詮は、皆、偽善者なのよ。
貴方だけじゃないわ。
この子も、偽善者。」
知らないのは、貴方達。
「この子の、偽善ぶりを見れば落ち着くんじゃない?
ほら、新しい玩具を用意したわ。
近くに居た、自分以外の偽善者を見なさい。」
そう言って、クスクスと笑うのだ。
「所詮は、偽善者。
“いい子”なんて居ないのよ。
一番、貴方が分かっていると思うわ。」
と、足を組み直した。