嘘をつく、その瞬間。

イジメ。


*碧奈side*

「止めて……、私に……っ、触らないで!」

パシン……と、跳ねられた手は。

行き場が、無くなった。

─────ただ、私が浮かれていたのかもしれない。

**

「っ、やめ……っ!」

「良い、眺め。」

心華が、姫を辞めさせられて3日。

噂は、あっという間に流れた。

心華に向けられた視線は、

“怒りと、疑問と、絶望と”

そして……“喜び”だった。

女達は、1人辞めた事で自分達がなれるんじゃないかっと考えているんだろう。

……本当に、馬鹿な奴等。

今、心華に裏切られたと思っている竜也達は仲間以外を信じられないだろう。

特に、女。

そんな事しか、考えられない馬鹿。

……醜い。

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